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現在の見た目は女性であるが、性別が曖昧な中性として生まれた栞は強制的に男の子として育てられたため、内面的には女の子である自分の性格を表に出さずに成長してきた。そのため人見知りも激しく、他人と接することに常に演技のような感覚を持っているようだ。また、過去に誰かを好きになったことも無く、他人に触れられることすら強い抵抗を持っているほどである。
栞(しおり)の名前が本名なのかハンドルネームなのかは不明。現在は女性として生活しているが、もともとは男性として育てられたため、本名だとしても改名後のものと考えることができる。

栞のシナリオ 『ガールズ ドント クライ』
数年前に横浜に引越して、周りに友達が居なくなった栞は、ネットでの出会いをきっかけにリア友を作ろうと必死になっていた。しかしネットの出会いは長続きせず、ほとんどが1度会ったきりだったり、実際に会う前にメールの返事が来なくなるケースがほとんどだった。そんな栞は今日もネットで知合った人物と桜木町駅前で待ち合わせをしていたのだが…。



栞のシナリオはこのゲームを象徴する桜木町駅前から始まる。

栞は長身であるにも関わらず、外見は完全に女の子に見えるらしい。

彼女の目から見える世界は、常にフィルタが掛かっているような感じだというが…。

じつは子供嫌いの栞。恋人がほしいという感情や結婚願望も無いもよう。
設定裏話
栞に関しては、このごろ流行の「男の娘」なのかと思う方もいらっしゃるでしょうが少し違います。栞は戸籍上男として産まれ育てられましたが、長身であるにも関わらず女性としてパスできる外見を持っています。その外見は性分化疾患(IS)の影響によるものなのか、それとも彼女は性別違和症候群で自分の努力の結果によるものなのかは、自分自身について多くを語ろうとしない彼女と同じく、本編中でも明かされることはありません。それは栞のシナリオが、幸せそうに見える人でも『本当のところは本人にしかわからないみたいなもの』をテーマにしているからです。また、彼女のような特殊な悩みを持った人間でなければわからない部分と、「本当の自分」や「周りの人間と違い、自分だけ…」といった、誰にでも1つくらいは当てはまる問題とを混合させました。
栞のシナリオ開始が一番最後なのは、セーブ画面にキャラクタの名前が表示された時、ブックマークの意味で"栞"と表示されていると勘違いする人がいるのではないかといった配慮からです。名前の由来は確かにブックマークの意味を込めて付けましたが、本名をすごく嫌っている彼女に綺麗な名前を付けてあげたいという気持ちもあります。それから、制作時にちょうどテレ東さんでISのドラマが始まって舞台も同じだったので、「パクってるじゃん!」と言われそうですが、これは本当に偶然なんですよ。砂丘は2年も前から制作開始してましたし(汗) さらにはクリアした方は分かると思いますが、神奈川ローカルな某番組をパロったオマケがあるんですが、その番組のMCの子も今は変わって、トミタ栞さんになったんですよネ…(砂丘制作当時のMCは三原勇希さん)。 さらには某ビブリアの店主も似た名前でしたし、同じ場所でデートしてましたね…。

シナリオ担当の える です。性別違和症候群をよく知らず、検索サイトから此処へ来る方もいるようですし、これを機に知ってもらうのも良いかもと思いましたので、なるべく専門用語を使わずに説明したいと思います。特にメディアで扱われる性同一性障害の影響で、同性愛と勘違いしている人もまだまだ多いと思いますので。

※資料としては私が過去にブログに載せていたものと同じになるので、今は状況が変わっているかもしれません。
※以下、特に説明が無い限り、男→女へなろうとしているケースのみで説明します。


性別違和症候群とは
性別違和症候群とは、身体的に自分が男であるか女であるかをしっかりと認識できているにも関わらず、周りから押し付けられる男らしさに抵抗を感じたり、感情や好みが身体の性別と一致しないため、身体の性別への違和感・不快感・苦痛が長期間(思春期などの限られた期間だけではなく)続いている状態のことです。しかし症状の表れ方は様々なので、ひとりの性別違和の人だけを見て、性別違和症候群というものを理解することは不可能です。
性別違和症候群の人の中には「私の本当の性別は女である」とか「私は生まれた時から女だった」「本来の性に戻りたい」と主張する人もいますが、これは自分の精神的な性別こそ本来の性別という概念を持っているがゆえの発言です。身体的に自分が男であり、男として産まれていることは認識できています。認識できていなければ反対の性になりたいと思うことすらできませんし、もしそれすら認識できてないなら、それは性別違和ではなく別の疾患になります。
また、性別違和という呼び名は、現在では性転換手術を望むような重度の苦痛を持つ人のみを意味するようになりましたが、本来は女装(男装)趣味の人なども含めた総称です。

性別違和症候群になる原因
はじめにお断りしておきますが、性別違和症候群であるかどうかは、「自分の肉体的性別に長期間違和感を持ち、反対の性での生活を望んでいるかどうか」で判断されるものであり、病因は関係ありません。しかしそのような症状があらわれるには、なんらかの原因があると考えることができるのと同時に、必要以上に男女に二分化された社会で、男は男の性格(女は女の性格)を持っているという前提で押付けられる男らしさ女らしさを、誰もが何の抵抗も無く受入れることができるか? ということも考えていただければ幸いです。
性別違和症候群になる原因には様々な説がありますが、その中の1つを紹介したいと思います。当然これを否定する説も、また否定を否定する説も存在しますが、『そうであってほしいという願望や希望=事実』ではありません。否定派の方も肯定派の方も、結論に先にありきで考えることは避けてください。「そんなことはないはずだ」と相手の意見を否定できる方法を探そうとした時点で、あなたは既に事実を見ることができなくなっています。
男女ではものの考え方が違うといいます。中には男っぽい考えの女性やその逆もいますし、何を基準に考え方が男らしいか女らしいかを判断するか意見が分かれるでしょうが、男女ではものの考え方が違うは確かです。男性はなぜ女性のような可愛い服を着たいと思わないのでしょうか? 女性はなぜヒゲを伸ばそうと思わないのでしょうか? そう考えるよう教育(強制)されたから?
人間の脳には性別があり、これに逆らった教育をしても、その人を男らしく(または女らしく)することはできないと言われています。
人間の胎児段階での原型は「女型」です。男性の性染色体を持つ胎児は男性ホルモンによって身体そして脳の順に女型から男型に変化することによって形成されると言われています。この時にトラブルが生じ、脳の性別が女のまま残ってしまうのが性別違和症候群です。(性染色体が女の胎児が男性ホルモンを強く受けすぎてしまった場合はいわゆるオナベになります)
脳の形や働きは男女で違うと言いますが、実際に性別違和症候群の人の脳は、物理的に通常とは異なる脳をしているという話もあります。だったら、脳の形を調べれば本物の性別違和症候群かどうか分かるのではないか言う人もいるでしょうが、実際には必ずしもその特徴があるわけではありませんし、脳の神経細胞レベルの話になれば、複雑な連結をしているその部分の構造はまだ解明されていません。さらに、臓器移植を受けた人の中にはドナーの性格や記憶を受け継ぐ人もいるように、人間には脳以外にも性格や記憶を司る器官があるのかもしれません。
また、「脳に性別などない!」といった場合でも、身体の性別通り男らしく育てられてもオカマになる人は現実に存在しているのですから、教育による男らしさの洗脳が必ずしも成功すると言えないのは事実ですし、むしろそれは逆効果である可能性だってあります。それに「性別違和なんて妄想か、ただの思い込み!」なんて発言する人がいますが、男らしさを拒否した人を前に妄想も思い込みもありません。

性別違和症候群の科学的証明
「性別違和症候なんて妄想か思い込みだ」とか「だらけてるだけ、本人の気の持ちよう」と言う人たちが提示しろと求めるであろう科学的証明については、最近、「性転換症と遺伝子のつながりが特定された」というものがあります。過去には視床下部(分界条床核)の大きさや、脳梁の傾きなどの関係も示されましたが、否定したい人たちは事実よりも「〜であってほしい」という願望のほうが大事でしょうから、どんなものが出てきても否定する方法を探しに行くでしょう。例え100%のものが出てきたとしても、往生際悪く天動説を例に出してきて反論したり、少子化問題に関連付けしたりして、最後には開き直ってナチと化します。そこまで必死になって否定したがる人こそ、精神的に異常をきたした人のわがままに見えなくもありません。それに受入れてくれる人には科学的根拠なんて意味ないと思いますが・・・

体と心ではどちらが本来の性別か? どうして体のほうを変えるのか?
「私の本当の性別は女」「生まれた時から女だった」や、「女になりたいのではなく、女に戻りたい」と語る当事者も存在します。これは精神的な性別(心の性別)こそ本来の性別という定義を持つがゆえのものですが、心の性別を本来の性別とするか、体の性別を本来の性別とするかは当事者間でも意見の分かれるところです。本来の性別は体の性別である男と認めた上で女になりたいという当事者もいますし、可能であるなら精神のほうの治療を望む当事者も少数ですが存在します。しかし、性別違和の治療は身体の性別を合わせる方法しか見ておらず、精神の治療を求める患者は置き去りにされているのが現状です。また別問題として、精神の治療方法が確立されたとしても当事者がそれを望まない限り治療として成立しません。

身体憎悪はどこから来るのか?
性別違和症候群が生まれながらの本能で身体憎悪しているのか、それとも、育った環境がそうさせているのか。生まれながら身体の性別とは別に精神に性別があるとしたら前者も否定できません。しかし「男らしさ」「女らしさ」の基準が、時代や地域による文化で変わっているところを見ると、生まれながらの精神の性別が身体憎悪しているとは考えにくいと思います(ただし文化の影響を受けないものに関しては、人間の本能的な何かが働く可能性があるかも知れません)。世界に性別違和症候群ひとりだけが生き残るような惨事が起きても自分の身体を憎悪し続けるでしょうが、誰もいない世界に生み落とされ成長した人間は性別違和症候群になるのでしょうか?
女の子の服、人形、遊びなど、これらに興味を持った男の子は、通常それらに接することを禁止され育てられます。多くの男の子はそれに疑問を抱かず、抵抗もせずに成長し、それらに興味を無くします。しかし、子供が持つ純真な「好き」という感情を大人の価値観で殺してしまうのはとても残酷なことだと思いますし、男の子は男の子用を好む(好まなければいけない)という定義が正しいのかというと疑問が残ります。受け入れないのはワガママと大人は言うでしょうが、自分の中に仕舞い込んで表に出さずに耐え続けた結果、やがてその男の子が男であることに不満を持つようになり、もっとも判断基準となる見た目の違い(身体へ憎悪)へと繋がっていくのではないでしょうか? 特に下半身に存在するの異形に対しては全ての災いの元凶のように感じるかもしれません。そしてそれは、通常の人が体験する思春期の身体変化に対する嫌悪とは明らかに異なるものです。

性別違和は他の問題より我慢できない苦しみなのか
GIDに限ったことではありませんが、心の病のような目に見えない症状はどうしても軽視されがちです。それに「あなたより辛いことで苦しんでいる人だっています」なんてすぐに比較されます。でもその『あなたより辛いこと』ってなんでしょう? 例えば『あなたより辛いこと』が『GIDより辛いこと』であった場合、『GIDより辛いこと+GID』の2つを抱えている人がいたら、その人はどっちのほうが辛いと言うでしょうか? そもそもGIDより辛いことなんて他人が判断してることになりますから、本人はGIDより辛いと思っていないかもしれません。本人にとってはGIDのほうが辛いと言うかも知れません。それに何を1番辛いと思うかは本人の置かれた環境によっても異なります。万人に共通する絶対にこっちという答えは無いと思います。周りの人間が自分の基準で決めてしまうことこそ1番の大きな間違いです。 結局、そういった自分の基準で判断してしまう人が、存在もしない『自分が世界で一番辛いと思っている人』を創り出してしまっているんでしょうね。

性別違和は「甘え」か?
そんなキーワードで検索してこのサイトにたどり着く方もいらっしゃるようですが、性別を変えることがなぜ「甘え」や「楽をしたいだけ」になるか、私にはよくわかりません。
この「甘えてるだけ」ってのは、大抵の場合「男→女」になろうとしている人に対して言われているようですが、だったら「女→男」になろうとしている人は甘えではないことになります。確かに世の中には、女より男のほうが生きるのが大変、女のほうが楽と思う人は多いでしょうが、そんなこと言ったら女性陣から「女だって大変なことだらけなのに!」と非難を浴びそうです。
性別違和の人は「女のほうが社会的に楽だから」といった損得勘定で性別を変えようとしているのではありませんし、もしそういう楽をすること目的で性別を変えようとする当事者がいたとしたら、例え性別を変えたとしても後悔するだけだと思います。性別を変えて生きるということは大変なことで、決して楽な生活は送れません。ここで「だったら変えなければいい」と言ったあなたは、「楽をしたいだけだ」なんて考えは当然消えましたよね。
「本当は美人に生まれたはずなのに…、金持ちに生まれたはずなに…、それと何が違うんだ?」と比較する人もいますが、これって、美人にしろ金持ちにしろ、誰から見たってそっちのほうが価値あるという前提になってます。誰から見ても男より女のほうが価値あるんですか?そっちのほうが有利で生きやすいんですか?幸せなんですか?と聞いてみたいです。
そして、「誰もが様々な問題と向き合い折り合いをつけて生きていなければならない」と言うのなら、それは「何らかの手段で解決しようと努力すべきことと」を否定することになってしまいます。そして、この2つの方法のどちらが適切で正しいかの判断は、結局は他人がやろうとしていることが気に入らないから「問題と向き合い折り合いをつけろ」と言ってるにすぎないように思えます。

性別違和と環境ホルモンの関係
GIDになる原因は環境ホルモンの影響ではないかと主張する人も過去にいましたが、GIDは環境ホルモンと呼ばれるような化学物質が誕生する前から存在する症状です。近年になって急にGIDの人が増えたかのように見えるのは、インターネットの発達による情報化社会という文化の影響にすぎないと思います。GIDの人が増えたのではなく、カミングアウトしやすい環境が整ったことでGIDであることを隠す人が減ったことと、GIDではないのに自分はGIDではないかと疑問を持つ人が情報を発信するようになっただけだと思います。ゆえに性別違和の原因が環境ホルモンにある可能性はゼロに近いといえます。
ただし、妊娠中にホルモン剤などを飲んだ場合の胎児への影響は無視できません。それらは環境ホルモンとは比べ物にならないほど強力な薬ですし、母親のストレスで乱れた胎内のホルモンが胎児に与える影響も、性別違和の原因として有力な説です。
化学物質が性ホルモンに似た影響を及ぼす可能性については否定できませんが、ダイオキシン問題同様、マスメディアの報道には疑問を感じます。


人間以外の動物も性別違和になるか?
性別違和になる環境を与えれば、人間以外の動物も性別違和になったという報告もあります。しかし人間と他の動物の本能や文化を同列で扱うには無理があります。また、自然界の動植物には性転換を行う種が存在したり、雌雄同体が存在することは珍しいことではありません。